こんちには!103です。
帝国データバンクと東京商工リサーチの信用調査レポートでは、評点が0〜100点で表記されています。
この評点の構成要素を紐解くことで、企業の経営状況もある程度予測できるのでは?を検証してみたいと思います。
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信用調査会社の評点とは?
企業の信用度を1〜100の実数で表した評価指数。
100点に近いほど信用に足る(取引時の貸倒リスクが限りなくゼロに近い)ことを表していますが50点前後に集約されています。
詳細ではありませんが、各社ともどのような部分を見ているのか好評しています、親切ですね。
帝国データバンクの評点、構成要素
- 業歴(1~5)
- 企業運営の継続性を評価。業歴が長いほど高得点
- 資本構成(0~12)
- 企業財務の安定性を評価
- 規模(2~19)
- 年売上高、従業員数など経営規模を評価
- 損益(0~10)
- 会社の損益を決算報告書などから客観的に評価
- 資金現況(0~20)
- 調査時点での業況・収益・回収状況・支払状況・資金調達余力を評価
- 経営者(1~15)
- 経営者を、個人の資産背景や経営経験、人物像などの要素から評価
- 企業活力(4~19)
- TDB調査員が、企業活力を人材・取引先・生産販売力・将来性の要素で評価
- 加点(+1~+5)減点(-1~-10)
- 上記項目だけでは十分に反映されていない要素がある場合、当項目で反映
帝国データバンクの評点構成を裏読みする
- 業歴(1~5)
- 企業運営の継続性を評価。業歴が長いほど高得点
- →設立浅いベンチャーは1点以外つけられない
- 資本構成(0~12)
- 企業財務の安定性を評価
- →取材拒否で官報なしは点数をつけられない、財務提出なしでも評価は低い
- 規模(2~19)
- 年売上高、従業員数など経営規模を評価
- →中小企業は点数がつかない
- 損益(0~10)
- 会社の損益を決算報告書などから客観的に評価
- →業績、財務情報ない場合は点数がつかない
- 資金現況(0~20)
- 調査時点での業況・収益・回収状況・支払状況・資金調達余力を評価
- →取材対応がない場合は点数が低い
- 経営者(1~15)
- 経営者を、個人の資産背景や経営経験、人物像などの要素から評価
- →不動産などわかりやすい資産や、経歴があれば点数は付く、人物像は本人が取材対応しないと判断不可
- 企業活力(4~19)
- TDB調査員が、企業活力を人材・取引先・生産販売力・将来性の要素で評価
- →調査時の対応で大きく変わる、取引先は大手がいればOK、生産販売力や将来性は設備投資などで判断
- 加点(+1~+5)減点(-1~-10)
- 上記項目だけでは十分に反映されていない要素がある場合、当項目で反映
- →2009年に起こった不動産バブルなど市況の変化や、まだ出せない情報(IPOなど)がある
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東京商工リサーチの評点、構成要素
東京商工リサーチの場合は帝国データバンクと比較して詳細を公開していませんが、TDBが公表しているポイントに沿って考えるのがベターです。
- 経営者能力(20点)
- 資産担保余力
- 経営姿勢
- 事業経験
- 成長性(25点)
- 売上高伸長性
- 利益伸長性
- 商品市場性
- 安定性(45点)
- 業歴・自己資本
- 決済状況・金融取引
- 担保余力・取引関係
- 公開性・総合世評(10点)
- 資料公開状況
- 総合世評
東京商工リサーチの評点構成を裏読みする
- 経営者能力(20点)
- 資産担保余力→不動産の抵当権などがあるか
- 経営姿勢→取材対応の雰囲気、拒否の場合判断要素なし
- 事業経験→これまでの経験、前職情報はどうか
- 成長性(25点)
- 売上高伸長性→連続増収か、伸び幅はどうか
- 利益伸長性→連続増益か、伸び幅はどうか
- 商品市場性→市況とあっているか
- 安定性(45点)
- 業歴・自己資本→ベンチャーは低い、自己資本比率が低いと点がつかない
- 決済状況・金融取引→支払サイトの長短、メガバンクか地銀か信金か
- 担保余力・取引関係→取引先の公開可否、リースが多いと担保余力なし
- 公開性・総合世評(10点)
- 資料公開状況→財務公表ないと点がつかない
- 総合世評→市況など?点数調整用?
調査取材を受ける受けないで雲泥の差
上記の評点の構成要素だけを見ると、
- 調査を受けるかどうか
- 受けたとしても数値公開をするかどうか
- 財務情報を公開するか否か
などで雲泥の差が生まれることが容易に理解できます。
ベンチャー企業は評点が著しく低くならざるを得ない
例えば、設立浅いベンチャー企業でまだベンチャーキャピタルからの後ろ盾がない企業ははっきり言って点数が付かない。ざっくり20点くらい。
超有名企業の経営者などがベンチャー経営していた場合にはプラス10~15点くらいくらいで30点代に。
上場企業の場合は無条件に高くなる
上場企業の場合は経営者の項目がほぼ満点になり、情報公開度も有価証券報告書が公開されている以上、ほぼ満点に近い数字になります。
安定性も取引金融機関はメガバンクが基本となるため高得点、取引先も大手企業が多いことから必然と評点は高くなる。目安として60~70点。
評点は40点代が最も多い
帝国データバンクは公式サイトで「景気動向に左右されるが40点代が一番多い」と回答している。
ここから推察するに、低い評点なのにベンチャー企業ではない企業、高い評点なのに大企業ではない企業は、どこが評価されているのかをこの構成要素から判別することができる。
唯一数字の裏付けが必要のない項目は経営者部分
各社の評点構成要素を眺めると、基本は数字の裏付けや担当者の前向きな回答を得ないと評価ができない項目が多い。
そのようななか、経営者項目は定量的な判断が可能。ここに比重がおかれている場合は、もちろん経営者が潤沢な資産を持っており事業にも前向きである、ということもある一方で、ほかに評価する部分がなかった、と考えることもできる。
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まとめ
この記事のおさらい
- 評点の構成要素は各社公開している
- 裏読みすることで取引先状況はある程度予測可
- 経営者が評価されている場合は他に評価する部分がないと判断できる
いわんとすることは、調査会社の評価を鵜呑みにしないこと、ですね。
まとめてみて、私も参考になりました。
さあ、もっと勉強して知識を付けよう!