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倒産する会社の特徴とは?──帝国データバンク・東京商工リサーチの過去事例から導く「崩壊の共通項」

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倒産する会社の特徴とは?帝国データバンク・東京商工リサーチの過去事例から導く「崩壊の共通項」

「まさか、あの会社が」

ある日突然、取引先や勤務先が倒産する。ニュースでは「コロナ禍の影響」や「原材料高」などが原因として語られますが、実はプロの信用調査マンや長年の取引先から見れば、倒産には必ず「前兆」が存在します。

帝国データバンクや東京商工リサーチが発表する膨大な倒産事例、そして数多くの経営者を見てきた経済誌のレポートを数十年分遡ってリサーチしていくと、業種や規模を問わず、驚くほど似通った「崩壊の共通項」が浮かび上がってきました。

本記事では、決算書の数字が悪くなる「前」に現れる、倒産する会社のリアルな特徴を徹底解説します。

この記事でわかること
・社長の行動や持ち物に現れる危険サイン
・オフィスの「空気」から読み解く倒産の前兆
・経理・総務的な末期症状のパターン

1. 社長・経営陣に見られる「異常」のサイン

企業は人なり、と言いますが、倒産の予兆はまず経営者の行動変化から始まります。

豪華な応接室と「神頼み」への傾倒

多くの信用調査員が口を揃えるのが、「業績が傾くと、社長室や応接室が不自然に豪華になる」という現象です。本業の自信のなさを、目に見える権威でカバーしようとする心理が働きます。

  • 身の丈に合わない高級輸入車への乗り換え
  • 執務室に巨大な神棚、壺、水晶などが置かれ始める
  • 風水や占い師の助言で経営方針が決まる

特に、今まで合理的だった経営者が急に「精神論」や「特定の宗教色」を出し始めたときは、合理的な経営判断ができなくなっている危険なサインです。

「裸の王様」化とイエスマンの増殖

倒産する会社の会議では、社長以外の発言が極端に少ないという特徴があります。社長が「あの件はどうなった!」と怒鳴り散らし、幹部は下を向いてメモを取るふりをする。

この環境がなぜ危険かというと、「悪い情報が社長に上がらなくなる(遮断される)」からです。現場のクレームや資金繰りの悪化などの不都合な真実は隠蔽され、気づいた時には手遅れの状態になります。

2. オフィス・現場の「空気」に現れる兆候

決算書は粉飾できても、会社の空気は粉飾できません。実際に会社を訪問した際に感じる違和感は、高い確率で的中します。

「観葉植物」と「トイレ」の法則

過去の倒産事例記事で頻繁に言及されるのが、衛生環境の悪化です。

  • エントランスの観葉植物が枯れたまま放置されている
  • 蛍光灯がチカチカしているのに交換されていない
  • トイレや給湯室が汚れている

これらは単に掃除が行き届いていないのではなく、「社員の会社に対する愛着が消失している」証拠です。「どうせもうすぐダメになる会社だから」という無意識の諦めが、細部の荒れとして現れます。

挨拶がなく、電話対応が荒い

来客があっても社員が挨拶をしない、あるいは顔を上げない会社は末期状態です。社員が過剰なノルマや資金繰りの不安で精神的に追い詰められており、外部の人間に愛想を振りまく余裕がなくなっているのです。

また、電話口での応対が「居留守を使うような態度」に変わった場合、督促の電話に追われている可能性が極めて高いと言えます。

3. 戦略・事業展開の迷走

倒産直前の会社は、一発逆転を狙って無謀な賭けに出ます。

本業と無関係な「流行りビジネス」への参入

製造業なのに急に「タピオカ店」を始めたり、ITのノウハウがないのに「AI事業」「仮想通貨」へ参入したりするケースです。これは事業多角化ではなく、「日銭欲しさの迷走」です。

銀行などへの融資説明資料として「これからはこの事業でV字回復します」というストーリーを作るための、実態のない事業拡大であることが多いのです。

コンサルタント依存とセミナー通い

自社で意思決定ができなくなり、高額な経営コンサルタントや怪しげな経営セミナーに社長が頻繁に出入りし始めます。「先生」と呼ばれる外部の人間の言いなりになり、現場の状況を無視した改革を断行し、社員の離職を加速させます。

4. 【末期症状】経理・財務面での具体的シグナル

ここまできたら、倒産へのカウントダウンは始まっています。

顧問税理士の頻繁な交代

これは極めて危険なシグナルです。通常、税理士は長く付き合うものです。それが頻繁に変わる理由は一つ、「無理な粉飾決算を要求し、税理士に断られた(逃げられた)」からです。

支払サイトの変更と小口乱発

以下のような動きがあれば、資金繰りは限界です。

  • 「支払日を末日から翌月5日に変更してほしい」という要請
  • 今まで現金払いだったものが手形になり、さらに手形のサイト(期間)が長くなる
  • 取引規模に見合わない少額の集金を急ぐようになる

まとめ:危険度チェックリスト

最後に、これまでのリサーチから導き出した「倒産予備軍チェックリスト」をまとめました。取引先や自社に当てはまる項目がないか確認してください。

【倒産危険度チェック】

  1. 社長が急に高級車や高級時計を身につけ始めた
  2. オフィスに枯れた植物や壊れた備品が放置されている
  3. 幹部や古参社員(特に経理担当者)が相次いで退職した
  4. 本業と全く関係のない新規事業を派手に発表した
  5. 社長との連絡がつきにくくなった(携帯がつながらない)
  6. 会社名義ではなく、社長個人名義の領収書が増えた
  7. 求人募集を常に出し続けている(異常な離職率)

倒産は「ある日突然」起こるものではなく、小さなほころびの積み重ねの結果です。これらのサインを早期に察知し、リスク管理を行うことが、連鎖倒産を防ぐ唯一の手段と言えるでしょう。

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